ビジネスで売上を上げるためには、見込み客集めや、新規顧客獲得をしなければいけない。
そう思って日々施策をしている経営者は多いです。
しかし、過剰な見込み客集めや、新規顧客獲得のための施策は資本力のない中小企業や個人事業主には適していません。
今回はその理由や、新規顧客に頼らずに売上を上げる方法についてお話をします。
目次
なぜ、新規顧客獲得が優先事項ではないのか
誤解を恐れずにはじめにお伝えしておくと、これからビジネスをして顧客が誰もまだいない場合は今回の話は役にたちません。
一人も顧客がいなければ売上に繋がることはないので、まずは新規顧客獲得ができるように努力すべきです。
今回は、「すでに何年かビジネスをやっている」「顧客やクライアントが複数名」いる方を対象に売上に繋がる有効なヒントをお伝えします。
ただ、これから起業や独立を考えている方も、この方法を知っておくことで遠回りしないはずです。
では、話を戻します。
世の中ではいかに見込み客を集めれば売上に繋がるだとか、新規顧客をとにかく増やすことが大事というノウハウや手法が多く出回っています。
しかし、考えなければいけないことですが上記の方法がはたして中小企業や個人事業主に適しているかどうかです。
断言しますが、資本力やリソースが限られている中小企業や個人事業主にはあまり適してはいないと思います。
むしろ適しているのは、すでにそれなりに資本力のある中小企業やリソースが潤沢にある大企業に適しているものです。
では一体その理由はなぜでしょうか。
見込み客集めや新規顧客獲得にはコスト(経費)がかかっている
この部分、忘れがちですが見込み客を集めたり、新規顧客を獲得するにはそれまでに費やした時間やコスト(経費)がかかっております。
そして、見込み客集めはいくら集めたところで成約に繋がらなければ売上が1円も上がることはありません。しかし、当たり前ですがコストはかかります。
また、新規顧客を一件獲得するにあたって、スムーズに即決で決まることは多くの業種でなかなかないのではないでしょうか。
実際にビジネスをやればわかりますが、「一件の顧客を獲得するにこれだけ苦労するものなのか」と一度は誰もが経験するはずです。
試しにあなたが一件あたりの新規顧客獲得までにかかったコストを算出してみてください。おそらくあなたが思っている以上に時間や労力、お金がかかっているはずです。
売っている商品やサービスの単価が安いと様々な問題が生じる
見込み客や新規顧客獲得ばかりに目を向けている場合、同時にあなたの売っている商品やサービスの単価が安いと、商品をいかに多く売るかが利益を出すために必要です。
売り続けなければビジネスが継続できないという状態です。
しかし、単価が安い分、利益率が低い場合は同時に新規顧客獲得も常に行わないといけないため、顧客獲得コストがかさみ利益が思うように出ない、広告で赤字になっていまうという悪循環になります。
これを解消するには、「新規顧客に頼らなくても利益が出るビジネスを構築すること」「単価を上げる」の2つがポイントです。
商品やサービスの単価を上げることは簡単に素早くできる方法です。
もちろん、今まで1000円で売っていた商品をいきなり2000円や3000円にすることは難しいかもしれませんが、税込だったのを税別で1080円にしたりとか、1100円にしたりと10円、100円単位で単価を上げることができないか考えてみましょう。
多くの場合、単価設定が適当だったり甘かったりすることが多いので、改善することで利益率が良くなったり売上が上がることは多々あります。
逆に最悪なのが売れないから値下げをしたり、意味のない安売りをすること。
これは思考停止状態です。安くしなければ売れないという思考はビジネスにおいてとても危険です。
新規顧客の前に既存の顧客をフォローするのが大事な理由
多くの経営者・起業家は見込み客や新規顧客獲得にしか目がいっていない、重視しているというお話をしました。
しかし、すぐに売上が上がり利益率が上げるためには見込み客集めや新規顧客獲得は今すぐやるべき施策ではありません。
その前にやるべきことは「一度、あなたの商品やサービスを購入した既存顧客」へのフォローです。
これを徹底するのが、中小企業や個人事業主がやらなければいけないことであり、売上を上げるために必要なことです。
既存顧客へアプローチするメリットについてお伝えします。
その1.既存顧客は新規顧客と違って売りやすい
あなたの商品やサービスに興味がない方に、いきなりお金を支払ってもらうのには時間がかかりますが、一度商品やサービスを購入している既存顧客に対して売るのは難しいことでありません。
その違いは、既にあなたの商品やサービスを知っている、一度購入してもらっているのでリピートしてくれる確率が非常に高いことです。
一度売ってその後は何も既存顧客に対してフォローをしていなかったり、関係性が終わっている場合は非常にもったいないと言えます。
他に商品やサービスを提供することで、関係性をより強化しながら売上を上げることができないか考えてみましょう。
その2.既存顧客へのアプローチはコストがかからない
これは最大のメリットですが、既に一度関係性のある既存顧客へアプローチをしてモノを売る場合には新規顧客獲得コストに比べればコストが最小減で済みます。
また、今はインターネットを活用すれば、メルマガやメールでのフォローであればコストは限りなく少なくてもアプローチができます。ほぼ0円です。
中小企業や個人事業主はこういった方法をうまく使わない手はありません。コストがかからないで既存顧客へアプローチできる方法がないか考えてみましょう。
その3.既存顧客から作った利益で新規顧客獲得コストに回せる
既存顧客へアプローチして売上を上げることで、そこから生まれた利益から見込み客集めのコストや新規顧客獲得コストに回す。
これができるようになります。
しかし、先程をお伝えした通り、既存顧客にフォローして売上を作るという考えがなければ、常に新規顧客獲得が一番の利益に繋がると考えているので、ごく限られた利益から新規顧客獲得コストに回すことしかできません。
これでは健全なビジネス状態とはいえなく、常に自転車操業になってしまいます。
一時的にこういう状態になることはありますが、ここからは一刻も早く抜けなければいけません。
新規顧客獲得だけが決して売上を上げるための、有効な方法ではないことを知っておく必要があります。
まとめ
あなたが今まで、見込み客をいかに増やすことを重要と考えていたり、新規顧客獲得に注力していたのであれば、一度立ち止まってみましょう。
その前に、既にいる既存顧客により満足してもらうにはどうしたら良いのか?
関係性をより深くして売上を上げることができないのか?と考えてみることが大切です。
新たな新規の顧客はもちろん大切ですが、既に一度商品やサービスを購入してくれたお客さんやクライアントはとても大切な存在です。
この存在ひいきなしに、ビジネスは拡大させることは難しいでしょう。
また、中小企業や個人事業主の強みですが、大企業と違って直接お客さんと接する機会や接点が多く持てることが多いはずです。
その利点を生かして、より関係性を強化できないか常日頃からアイデアを考えていきましょう。
既存顧客とは非常にありがたい存在であり、感謝の念を忘れてはいけません。