もし、これからホームページを開設するのであれば、一つの選択肢としてWordPress(ワードプレス)で作成・運営することがおすすめです。
特に中小企業や個人事業主の場合、リソースやお金が限られているなかで都度ホームページを更新する形式だと、そのたびに制作会社に支払うコストがかかってしまい、本業に費やす時間も奪われてしまうことになります。
その反面、WordPressでホームページを開設して運営すれば、テキストやページなどを管理画面からブログ感覚で追加や訂正ができるため、融通が効きます。
そういう面で、スピードや小回りが求められる中小企業や個人事業主にとっては最適と言えます。また、ホームページを上手く活用することが出来れば、自分のターゲットとしている顧客から問い合わせや受注を獲得することができます。
しかし、WordPressでホームページを運営するにあたって様々なメリットがある反面、デメリットも幾つか存在するのも事実です。
そこで今回は、WordPressでこれからホームページを開設しようと検討中の方や既にWordPressでホームページを運営している方でも役に立つ、WordPressのメリットとデメリットについてお話していきます。
1.WordPressとは
WordPress. WordPress(ワードプレス)は、オープンソースのブログソフトウェアである。 PHPで開発されており、データベース管理システムとしてMySQLを利用している(後述のプラグインよりSQLiteでの使用も可能)。
単なるブログではなくCMSとしてもしばしば利用されている。
引用:WordPress – Wikipedia – ウィキペディア
現在、WordPress(ワードプレス)でホームページを運営しているサイトは非常に多いです。
大手企業から中小企業、個人事業主でネットショップ、ポータルサイト、企業サイト、ブログなど様々な形式のホームページでWordPressが活用されています。世界的でみても、WordPressを活用しているサイトは多いのが事実で、それだけ需要と使い勝手が良いことがわかります。
私の運営しているこのサイトも、WordPressで運営していますが、簡単にブログを書いたり、写真を挿入したり、ページを追加したりすることが可能なため、自分が更新したいと思ったときにタイムリーに更新することができています。
2.WordPressで運営するメリットとは
実際に、WordPressがおすすめと言われても何が優れているのか?よくわからない方もいるかと思います。
そこで、何がおすすめなのかここではメリットをお伝していきます。
2-1.メリット1:サイトの更新が頻繁にある場合に融通が効く
ホームページによっては、毎日のように細かなテキストの修正が必要だったり、ページの追加や更新が必要な場合があります。
その場合、都度web制作会社や外注に依頼する方式では、反映されるまでに時間がかかるうえ、修正費用を請求されることがほとんどです。
しかし、WordPressであれば一度、ホームページの枠組みを作ってしまえば、後はページの追加や既存のページのテキストの変更から写真の入れ替えまで、制作会社に依頼することなく、自分で修正することができます。
それによって、長期的に見て、自分で気が付いた時に修正やコンテンツの追加が出来るので、コストを抑えることが可能です。
また、WordPressのインストール自体は無料でできます。ドメインとサーバーを契約してしまえば、WordPressでそれなりのホームページを自分で作成することも可能です。
2-2.メリット2:何か問題があった場合に対応してくれる人が多い
テキストの追加や写真の入れ替えなど、自分で出来ることも多いWordPressですが、仮に何か問題や不具合が発生した場合は、WordPressでホームページを制作できるweb制作会社やフリーランスの方は非常に多いので、基本的にトラブル時にも相談相手を見つけるのに困ることはありません。
逆に、WordPress以外のシステムを利用してホームページを運営している場合、そのシステムでサイトを構築したことがないweb制作会社やフリーランスの方がいる場合があるので、トラブル時に対応してくれる方が少ないという問題が発生する場合があります。
場合によっては、専門性を要することになり、費用が高額になる場合もありえます。
全世界で利用しているユーザーが多いWordPressであれば、いざという時に外注にもすぐに相談すれば、大概対応してくれるケースが多いので安心です。
2-3.メリット3:SEO対策に豊富なプラグインや機能が充実している
ビジネス目的でホームページを運営しているのであれば、ホームページを開設しただけでは意味がありません。
なぜなら、ホームページを開設しただけではサイトにアクセスは集まらないからです。
そこで、ホームページへアクセスを集めるためにGoogleやYahoo!の検索から、ユーザーがキーワードを検索した時に、ホームページが上位表示されるようにSEO対策をしていく必要があります。
SEO対策はホームページを開設してから、目に見える成果が出るまでに時間がかかる施策ですが、WordPressにはSEO対策をするうえで、非常に便利な機能やプラグインが豊富に揃っており、アクセスを集めるのに中期的~長期的に見ても有利です。
プラグインは、WordPressの機能を拡張するためのツールです。
WordPress のコアは、柔軟性を保つため、不必要なコードでふくれあがってしまわないように設計されています。
ユーザーそれぞれが特定のニーズに合ったプラグインを利用して、カスタム機能を取り入れられるように作られています。
2-4.メリット4:ホームページにアクセスを多く集めることが出来る
実際に長期的に、GoogleやYahoo!の検索上で上位表示されているホームページのなかで、WordPressで運営されているサイトを多くみます。
メリット3でもお伝えした通り、WordPressにはSEO対策をするうえで豊富なプラグインや機能が充実している点と、更新のしやすさから、コンテンツを追加していくうえで、Googleに適切な情報を伝えるうえでも相性が良いと感じます。
SEO対策において、Googleへ適切なホームページの情報を伝えることが、SEOで成果を出すための近道ですが、そのための土台がWordPressに揃っていると言えます。
ただし、WordPressでホームページを開設したからと言って、アクセスが多く集まるわけではありません。Googleはユーザーにとって役に立つコンテンツを上位表示させるという旨を常日頃から発表しています。
サイト運営者は、ユーザーにとって役に立つコンテンツや価値のある情報を地道にホームページに追加していくことが必要です。その結果として、ホームページにアクセスが集まるようになることを理解しましょう。
SEO対策に関しての詳細は、「初心者からのSEOで知っておくと便利な12のこと」でお伝えしております。
3.WordPressで運営するデメリットとは
WordPressで運営するメリットをいくつか紹介してきましたが、メリット以外にも勿論デメリットもあります。
ここでは、知っておくべきデメリットに関してもお伝えしていきます。必ずデメリットの項目にも目を通してください。
3-1.デメリット1:不正ログインやハッキングされる恐れがある
※WordPressの管理画面ログインページ。ここからユーザー名とパスワードを入れてログインできる。
WordPressは度々、外部からの不正ログインやハッキングを受けており、知らぬ間にホームページのソースコードを書き換えられたり、ある時いきなりホームページが正常に表示されない、データが消えてしまうなどの被害が取り上げられています。
メリットにも書いた通り、WordPressは全世界で利用者の多いCMSですが、日本でホームページを運営していても、海外からのハッキングや不正ログインをされてしまうケースも決して少なくはありません。
不正ログインやハッキングされやすい理由として、ログイン画面のIDやパスワードが外部から覚えやすい、ちゃんと設定されていない等の原因があります。
外部からハッキングをされてしまうと、顧客情報を扱っているECサイトや企業サイトの場合、企業の信頼を失うばかりか、経営において致命的なダメージを受けてしまうことになります。
この対策として、管理画面のユーザー名やパスワードの情報は外部には漏らさないのはもちろんですが、パスワードを複雑に設定したり、パスワードの下に文字認証を入れるなどの対策は必ずしておきましょう。(パスワードの下に文字認証を入れるにはプラグイン追加で簡単に実装できます。)
プラグインで外部からのハッキングを防止する機能が色々とあります。
それらをインストールしておけば基本的には問題ありませんが、WordPressは利用ユーザーが多いため、日本ではなく、外国からのハッキングや不正ログインも狙われやすいということを理解しておく必要があります。
3-2.デメリット2:システムをアップデートしないと運営リスクが高い
デメリット1と同様ですが、WordPressは定期的にバージョンをアップデートしており、それに伴って運営しているホームページも同様に、常にバージョンをアップデートして最新の状態に保つ必要があります。
WordPressで運営しているサイトを、常に最新のバージョンで運営することにより、外部からのハッキングや不正ログインを防げる確率を飛躍的に高めることが出来ます。
しかし、現状は頻繫に更新をしていないサイトや、作成してから放置状態のサイトはバージョンを更新しないままになっているケースが多いです。これが企業サイトであればかなりのリスクです。
2017年に、WordPressを提供しているWordPress.orgからアップデートをしていないサイトに関して、このような注意喚起が出ておりました。
WordPress 4.7.2 が利用可能になりました。これは過去のすべてのバージョンのためのセキュリティリリースですので今すぐサイトを更新してください。
4.7.1 およびそれ以前の WordPress は以下3件セキュリティ問題の影響を受けます:
1.Press This のタクソノミー語句を割り当てるユーザーインタフェースが使用権限のないユーザーにまで表示される。Alley Interactive の David Herrera により報告されました。
2.安全でないデータが渡された時に発生する WP_Query の SQL インジェクション (SQLi) 脆弱性。WordPress コアがこの問題の影響を直接受けることはありませんが、プラグインやテーマが絡むケースを考慮して安全性強化のために対策を行うものです。Mo Jangda (batmoo) により報告されました。
3.投稿リストテーブルで発見されたクロスサイトスクリプティング (XSS) 脆弱性。WordPress セキュリティチームの Ian Dunn により報告されました。
上記のように、以前までのバージョンで深刻な脆弱性があったとの発表が2017年にされております。
バージョン4.71やそれ以前のバージョンで現在、WordPressを運営している場合は、早急に最新のバージョンにアップデートする必要があります。
自分でわからない場合は、ホームページ制作を依頼した業者に問い合わせてみるか、管理画面のダッシュボードから現在、何のバージョンでサイトが運営されているのか確認してみてください。
常に最新のバージョンで運営することが、ハッキングや不正ログインを防ぐためのリスクヘッジにも繋がります。
3-3.WordPressのバージョン情報を管理画面から確認する方法
まずは管理画面にログインして、左のメニューから「ダッシュボード」をクリックして、次に「更新」をクリックしましょう。
その時に下記のような画面が出てくるので、ここで現在のバージョンを確認することができます。
常に最新のバージョンでサイトを運営することが大切です。
もし、表記のバージョンが4.71やそれ以前のバージョンになっている場合、外部からの不正アクセスやハッキングを受けてしまう危険性があります。
その場合は、早急にバージョンをアップデートしてください。
※同様に、機能などを拡張するときに活用する「プラグイン」もインストールしたまま放置ではなく、常に最新の状態に更新しておきましょう。
こちらもバージョンアップデート同様、プラグインも古いままだと、ホームページに支障が出たり、ウィルス感染やハッキングに繋がる恐れがあります。
一番のリスクヘッジは常に、プラグインも最新のアップデートにすることです。
3-4.デメリット3:最初はアクセスが集まらない
メリット4に、WordPressでホームページを運営することで、アクセスを多く集めることが可能とお伝えしましたが、何もしなければ、当然サイトにアクセスは集まることはありません。
また、いくらコンテンツを追加したり、SEO施策を実施しても、公開したばかりのホームページがGoogleに評価され検索上位表示するまでには、最低でも半年から一年ぐらいかかります。
ですので、過度な期待をするのではなく、ホームページを公開してからもコンテンツを追加したり、アクセスを集めるために地道な施策をすることが大切です。
これはWordPressに限らず、他のシステムで運営しているホームページにも同じことが言えます。
まとめ
幾つか、WordPressを運営するにあたって気を付けなければならないポイントもお伝えしましたが、しっかりと最新の状態にWordPressをアップデートして、プラグインも最新の状態に保ち、管理画面のログイン情報を厳重にするなどの対策をしておけば、未然に重大なリスクを避けることができます。
メリットでもお伝えしましたが、WordPressを活用してホームページを運営することは様々なメリットがあります。
これからホームページを開設したいと考えている方は注意点を踏まえたうえで、WordPressで開設することを選択肢の一つとして検討してみてください。